個人事業主のイメージギャップと法人化問題

個人事業主になって気づかされることは、この立場は思ったほど自由気ままではないということです。最近ではフリーランスとも呼称しますが、実際はさほどフリーでもありません。
仕事を確保するために営業活動をしなくてはなりませんし、仕事のトラブルがあれば自分で処理をしなくてはならず、おまけに、確定申告のために経理もする必要があります。
会社という組織に縛られなくなった分、会社が肩代わりしていたことはすべて自分でやらなくてはならなくなるのです。

さらに法人化するかどうかという問題もあります。法人化するとこれはもう会社組織と同じですから、縛られることはさらに多くなります。
経理上の処理はより複雑になり、場合によっては税理士を雇わなくてはならなくなるかも知れません。株式会社にすれば役員改選手続きも必要となります。それでもビジネス上の信頼を得るためだとか、税制上有利だとかいう理由で法人化の道を選ばざるをえないこともあるのです。
したがって、会社からの縛りから逃れるためだけに個人事業主の道を選ぼうとしているのなら少し考え直した方がよいでしょう。

確かに、独立すると雇用者としての立場からは解放されますが、今度は経営者としての立場に縛られることになります。
それらの縛りから完全に解放されているのは不労所得で生活している者ぐらいです。
個人事業主はあくまでも何かを達成する手段であって、それ自体が目的化してしまってはいけません。

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